動画マーケティング 少人数運用は可能?小規模体制の進め方
少人数でも動画運用はできる?無理なく進める体制づくりを解説
動画運用は、3〜4人の専門チームがいなくても実行できます。結論として、少人数なら役割の分け方とやらないことの決め方さえ押さえれば、月2〜4本の動画を1〜2名体制で無理なく回すことは十分可能です。
【この記事のポイント】
少人数運用のポイントは、「1人が全部やる」のではなく、2〜3役割にざっくり分けることです。具体的には、①企画と台本、②出演と撮影、③編集と公開、に分解し、「どこから外の力を借りるか」を最初に決めます。
正直なところ、よくあるのが「マーケ担当1人が、企画も撮影も編集もぜんぶ背負ってしまう」パターンです。実は、撮影そのものよりも調整と決めごとに体力を奪われているケースが多く、ここを仕組み化すると一気にラクになります。
私が支援した小規模チームでも、マーケ1名+現場メンバー1名の実質2人運用で、月4本・半年継続を達成したケースがあります。このとき効いたのは「シリーズ化」「月1まとめ撮り」「編集テンプレ」の3つでした。
今日のおさらい:要点3つ
- 顕在ニーズ:少人数でも現実的に動画運用は回るのか、具体的な役割分担と進め方を知ることが大切です。
- 潜在ニーズ:「自分1人(または2人)に依存しすぎていて、このまま続けたらいつか折れるのでは」という不安を整理しておきましょう。
- 行動ニーズ:最終的には、「何人でどこまでを内製し、どこから外注するか」のラインを決めるのがおすすめです。
この記事の結論
一言で言うと、少人数運用を成功させる鍵は「①動画の役割と本数を絞る」「②1本の作業を7タスクに分解して分担する」「③撮影日・公開日・振り返り日をカレンダー固定する」の3つです。
最も重要なのは、「大企業と同じことを少人数でやろうとしない」ことです。シリーズ化とテンプレ化で決める負担を減らし、1本あたりのクオリティよりも「続けられるリズム」を優先したほうが、半年〜1年スパンで見ると成果が出やすくなります。
失敗しないためには、①全社向けの立派な動画から始めない、②最初から週1本を目指さず、月2本から試運転する、③「3か月ごとにやり方を見直す前提」で始めることが大切です。少人数運用は「規模で負ける戦い」ではなく、「機動力と継続性で勝てる戦い」と捉えると、自分たちのサイズで作れる仕組みが見えてきます。
「自分が倒れたら全部止まる」と分かっていて、カレンダーを閉じる夜
少人数で動画を回していると、ときどきこんな夜にぶつかります。
- 夜、自宅でノートPCを開き、翌週のカレンダーを見ながら「動画撮影」「台本作成」「編集」と書かれた予定にカーソルを乗せる。
- どの予定にも、自分の名前だけが登録されている。他のメンバーの名前はどこにもない。「この予定を誰かに振り替えられるイメージが、正直まったく湧かないな」と心の中でつぶやく。
- そのままブラウザのタブをそっと閉じ、「今日はもう考えるのをやめよう」とスマホに手を伸ばす。だけど、頭の片隅には動画を止めたら戻れない気がするという小さな焦りが残る。
私は、クライアントではなく自分のプロジェクトで、この感覚を何度も味わいました。
あるとき、マーケ1人+現場1人でYouTube運用をしていた企業のミーティングで、担当者がふと本音を漏らしました。
担当者:「実は、動画が嫌いなわけじゃないんです。よくあるのが、撮影も編集も全部自分がやったほうが早いと思って抱えた結果、自分が忙しくなると動画が止まる仕組みになっていて…。『この体制のままだと、どこかで限界が来るな』と薄々感じています。」
この谷を抜けるには、「人数を増やす」のではなく、「仕事の割り方を変える」必要がありました。
「人を増やせない」前提で、「やる仕事を減らす」「分ける」を決めた
その企業では、追加採用の予定もなく、「人を増やす」は現実的ではありませんでした。
私:「正直なところ、人数を増やせれば楽ですが、それはすぐには難しいですよね。実は、仕事を減らす・分ける・順番を変えるだけでも、体感の負担はかなり違ってきます。」
そこで、まず「動画1本に必要な仕事」をすべて書き出してもらいました。
- テーマを決める
- 台本(構成)を書く
- 資料・スライドを準備する
- 撮影場所と時間を押さえる
- カメラ・マイク・ライトを用意する
- 撮影する
- 編集する(カット・テロップ・BGM)
- サムネを作る
- YouTubeやLPに公開する
- 数字を見る
これを見ながら、担当者が苦笑いして言いました。
担当者:「こうして書くと、『そりゃ1人ではきついわ』ってなりますね…。実は、撮影と編集を誰かに任せたいと思っていたんですが、よくあるのが、そこをうまく渡せずにモタついて結局自分でやってしまうパターンで。」
ここから、
- やめること
- テンプレ化すること
- 外に出すこと
の3つに分類していきました。
「マーケ1人+現場1人」で月4本。体感の負担が「重い仕事」から「忙しいけど回る仕事」に変わった
最終的に、その企業では次のような体制になりました。
マーケ担当(1人):
- 3か月分のシリーズテーマ設計。
- 台本テンプレ作成と、空欄を埋める作業。
- 公開と数字のチェック。
現場メンバー(1人):
- 出演。
- 細かな専門内容のチェック。
外部パートナー(週数時間):
- 撮影ディレクション。
- 編集とサムネ作成。
そして、ルールはこうです。
- 動画は3か月で12本(=月4本)までに絞る。
- 撮影は月1回、半日で4〜6本まとめ撮り。
- 台本は「質問に答える型」に統一し、ゼロから作文しない。
- 編集には1本あたり2〜3時間までしかかけない(外部パートナーにも明示)。
3か月後、担当者はこう話してくれました。
「正直なところ、相変わらず動画に時間は使っています。でも、実は自分じゃなくてもできる仕事を外に出しただけで、気持ちの重さがだいぶ違います。自分が倒れたら全部止まる感覚から、少なくとも撮影と編集は回る状態になったのが大きいです。」
数字を見ると、
- 動画本数:バラバラ更新 → 月4本ペースで安定。
- 動画付きLPのCVR:動画なしのページ比で約1.3〜1.5倍。
- 視聴者からの問い合わせ:「動画見ました」という一言が入るケースが毎月出てくる。
少人数のままでも、「分け方」と「やめるライン」を決めれば、十分に回る運用は作れると実感したケースでした。
少人数運用でよくある失敗と、避けるためのポイント
失敗① 1人が「全部」を抱え込んでしまう
【よくある状態】
- 企画・撮影・編集・公開・分析を、マーケ担当1人が全部担当。
- 実質「動画部署」になっているが、肩書きは「マーケ」「広報」のまま。
- その人が忙しくなると、動画が真っ先に後回しになる。
【何が起きるか】
- 本来やるべき戦略や他チャネルの施策が圧迫される。
- 動画への不満が「自分への不満」のように感じられ、精神的にもきつくなる。
【ポイント】
- 1人で全部やる前提を捨て、「決定」「実務」「協力」の3層に分ける。
- 自分がやることは「決める」と「チェック」に寄せ、作業はできるだけ外に出す。
- 「動画担当ではなく、動画を使って事業を伸ばす担当」という役割意識に変える。
失敗② 大企業の「理想形」を、少人数でそのまま真似しようとする
【よくある状態】
- 有名企業のYouTubeやブランディング動画をベンチマークにする。
- 実写+アニメーション+BGM+撮影ロケ…と盛り込みたくなる。
- 結果、1本あたりの企画〜撮影〜編集の負荷が、少人数では支えきれないレベルになる。
【何が起きるか】
- 1本作るだけで燃え尽きる。
- 続ける気力が残らず、「うちは動画に向いてない」と結論づけてしまう。
【ポイント】
- 「理想の5〜7割」で始める。
- まずは単一のフォーマット(トーク+簡易スライドなど)に絞る。
- 映像の派手さより伝わりやすさを優先し、クオリティは徐々に上げる。
失敗③ 内製と外注の線引きが曖昧で、結局すべてが中途半端になる
【よくある状態】
- 最初は全部内製で頑張る。
- 途中から編集だけ外注してみるが、指示とフィードバックに時間がかかり、余計に疲れる。
- どこから外に任せるか、その基準がないまま揺れ続ける。
【何が起きるか】
- 外注コストと内製コストのどちらも高くつく。
- 「外注に頼んでも楽にならない」という印象が残る。
【ポイント】
- まず「何を自社で持ちたいか」を決める(企画・出演・専門性の監修など)。
- そのうえで、「最初に外に出す工程」を1つに絞る(多くは編集か撮影)。
- 外注先にも「工数制限」と「テンプレ」を共有し、凝りすぎないルールを共有する。
少人数運用を無理なく回す「具体ステップ」3つ
ステップ① 動画1本を「7タスク」に分けて、役割と優先度を決める
まず、動画制作の工程を7つに分解します。
- テーマ決め
- 台本・構成作成
- 撮影準備(場所・機材・資料)
- 撮影
- 編集
- サムネ・公開設定
- 分析・振り返り
やること:
- この7タスクを表にして、「誰がやるのか」「外に出せるか」を書き込む。
- それぞれに「A:必ず自社でやる」「B:自社主体+一部外注」「C:外注優先」のラベルをつける。
例(マーケ1+現場1+外部):
- テーマ決め:マーケ(A)。
- 台本:マーケ+現場(A)。
- 撮影準備:現場(B)。
- 撮影:外部(C)。
- 編集:外部(C)。
- サムネ・公開:マーケ(B)。
- 分析:マーケ(A)。
ポイント:
- 「企画と判断」は自社、「手を動かす作業」は外部、という切り方にすると、少人数でもブレにくくなります。
ステップ② 「3か月で◯本」のシリーズ設計をして、ネタ出しの負荷を下げる
やること:
- 期間を決める:まずは3か月。
- 本数を決める:月2〜4本(合計6〜12本)。
シリーズとして括る:
- よくある質問シリーズ。
- 失敗談シリーズ。
- 導入事例シリーズ。
例:
3か月で12本:
- FAQ:6本。
- 事例:3本。
- 失敗談:3本。
ポイント:
- 「1本ずつネタを考える」のではなく、「シリーズの穴を埋める」感覚にすると、判断エネルギーが一気に下がります。
- 「この3か月はFAQだけ」「次の3か月は事例だけ」とテーマを絞るのもアリです。
ステップ③ 少人数前提の「カレンダー運用」に変える
やること:
- 撮影日:月1〜2回、決まった曜日・時間を半年分ブロックする。
- 台本作成:撮影日の◯日前に台本〆切をカレンダーに入れる。
- 編集:撮影の翌週にまとめて時間をとる(または外注に依頼)。
- 公開・振り返り:毎週同じ曜日・時間に設定する。
イメージ:
- 第1火曜 午前:撮影。
- その前週金曜:台本〆切。
- 第2〜3週:編集→公開。
- 第4週:数字の確認と次月のテーマ決め。
ポイント:
- 「空いた時間で動画をやる」のではなく、「動画のために時間を先に確保」する。
- 少人数ほど、時間を守るための仕組みがないと、他の仕事に押し流されやすくなります。
よくある質問
Q1. 人数は最低何人いれば動画運用は可能ですか?
A1. 1人でも不可能ではありませんが、現実的には2人以上(マーケ+現場)が望ましいです。編集や撮影の一部を外注すれば、実質2人運用で月2〜4本は十分回せます。
Q2. 少人数で始める場合、まず何から外注するのがおすすめですか?
A2. 多くのケースで「編集」がボトルネックになります。撮影までは社内、編集とサムネだけ外注、という切り方が始めやすいです。
Q3. 月何本くらいから始めるのが現実的ですか?
A3. 最初は月2本からがおすすめです。3か月問題なく回ったら、月3〜4本への増量を検討する、くらいのペースで十分です。
Q4. 少人数でやるとクオリティが落ちませんか?
A4. 映像の派手さは落ちるかもしれませんが、伝わりやすさや継続性は上がります。視聴者は「プロっぽさ」より「内容」と「頻度」で評価することが多いです。
Q5. 社内に動画の知識がまったくないのですが、大丈夫でしょうか?
A5. 大丈夫です。むしろ知識がない分、最初から外部のフォーマットやテンプレに乗るほうが迷いが少なく済みます。
Q6. 少人数で続ける場合、どのくらいの期間を見ておくべきですか?
A6. 最低でも6〜12か月を運用フェーズとして見ておくと良いです。動画は短期施策というより、中長期で効いてくるチャネルだからです。
Q7. 途中でペースダウンしたいとき、どう調整すれば良いですか?
A7. 「やめる」のではなく、「次の3か月は月◯本に減らす」と宣言してペースだけ落としてください。体制を維持することを最優先にしたほうが再起動しやすくなります。
まとめ
少人数でも動画運用は十分可能ですが、「人数」で勝負するのではなく、「やることの絞り込み」と「役割と時間の決め方」で勝負する必要があります。
よくある失敗は、「1人が全部を抱える」「大企業のやり方を真似する」「内製と外注の線引きが曖昧」の3つで、ここを避けるだけでも負担感は大きく下がります。
実は、少人数だからこそ意思決定が速くて柔軟に改善できるという強みもあります。シリーズ化・テンプレ化・外部パートナーとの分業を組み合わせれば、チームの規模に合った無理のない動画運用は必ず作れます。少人数運用は「やせ我慢でこなす働き方」ではなく、「自分たちのサイズに合わせて道具を選び直す働き方」と捉えると、続けるための工夫が自然と楽しくなっていきます。
要点まとめ
- 動画1本を7タスクに分解し、「決定」「実務」「協力」に分けて役割を決めましょう。
- 3か月で◯本(例:12本)のシリーズを設計し、「ネタ出し」ではなく「穴埋め」で考えることが大切です。
- 撮影日・台本〆切・編集・公開・振り返りを、カレンダーに半年分固定しておきましょう。
- まずは月2本から始め、3か月続いたら本数を見直すフェーズ制で運用するのがおすすめです。
- 外注は「編集」か「撮影」など、最も時間のかかっている工程から一つずつ切り出していきましょう。
こういう人は今すぐ相談すべきです
- 実質1〜2人で動画を抱えていて、「このままいくとどこかで限界が来る」と感じているマーケ・広報・採用担当の方。
- 一度動画運用を始めたものの、他の業務との両立が難しくなり、「続けたい気持ちはあるのに、体制のイメージが持てていない」方。
この状態ならまだ間に合います。
今夜はまず、「動画に関わる7つのタスク」「今それを誰がやっているか」「どこから外に出せそうか」の3つをノート1ページに書き出してください。その1ページをもとに、「次の3か月は何人で、どこまでを自社で、どこからを外と組んで進めるか」をチームやパートナーと一度だけ真剣に話してみる――それが、「気合いと根性で回す少人数運用」から、「仕組みで回る少人数運用」へ切り替える最初の一歩になります。
PAQLAの想い
うまく言葉にできない価値を、
伝わる映像へ。
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