動画マーケティング 制作時間を短縮する方法とは?効率化のコツ

動画制作に時間がかかる原因とは?効率化して負担を減らす方法を解説

動画制作の時間は、「センス」ではなく、設計と分業と「手を抜くポイント」の決め方で大きく変わります。結論として、企画〜撮影〜編集までを同じやり方で続けていると、1本あたりの工数はどんどん重くなるので、「型」「テンプレ」「諦めるライン」を決めたチームほど、半分〜3分の1の時間で回せるようになります。


【この記事のポイント】

動画制作が重くなる一番の理由は、「毎回ゼロから決めている」「全部を自分で抱えている」「完成度の基準が高すぎる」の3つです。逆に言うと、台本・構成・編集の型を決めて、7割をテンプレで埋めてしまえば、1本にかかる時間は半分以下まで落とせます。

正直なところ、現場でよくあるのが「気づいたら1本の編集に5〜6時間かけていた」「本業の合間にやっているはずが、むしろ動画が本業を圧迫している」というパターンです。実は、制作時間が長い動画ほど成果が出ているわけではなく、掛けた時間と効果が釣り合わないゾーンが存在します。

私自身、社内コンテンツとクライアント案件の両方で「1本あたり8時間→2〜3時間」まで短縮した経験がありますが、そこで効いたのは「撮影日のまとめ撮り」「編集プリセットの導入」「台本フォーマット化」の3点でした。クオリティを多少落としてでも回せる体制を先に作ったほうが、最終的な成果は上がりやすいです。

今日のおさらい:要点3つ

  • 顕在ニーズ:なぜ毎回動画制作に時間がかかるのか、原因と削れる工程を知ることが大切です。
  • 潜在ニーズ:「このペースのまま続けたら破綻する気がする」「自分だけが頑張っているのでは」という不安を整理しておきましょう。
  • 行動ニーズ:最終的には、「自社の動画制作を2〜3分の1の工数で回すための具体的なやり方」を決めるのがおすすめです。

この記事の結論

一言で言うと、動画制作時間を短縮する鍵は「①決める時間を減らす」「②触る素材を減らす」「③1人で抱える作業を減らす」の3つです。

最も重要なのは、「1本ごとに頑張る」のをやめて、「3か月で◯本をどの型で撮るか」まで先に決めてしまうことです。構成・尺・カメラ位置・テロップのルールを固定すれば、「迷う時間」と「調整の時間」が一気に減ります。

失敗しないためには、①最初からすべての工程を最高にしようとしない、②どこに時間をかけるか・かけないかを決める、③3〜5本ごとに作業ログを振り返って、ムダ作業を削るクセをつけるのが近道です。動画制作の効率化は「手を抜く話」ではなく、「自分たちのこだわりどころを正しく選ぶ話」と捉えると、時短と品質を両立する判断軸が見えてきます。


気づけば深夜、タイムラインのテロップを直し続けている夜

制作時間に悩んでいる人の夜は、だいたい似ています。

  • 定時後、「今日こそ1本編集を進めよう」とPCを開く。タイムラインには、すでに撮影済みの30分の素材が並んでいる。
  • カットを刻み、BGMを選び、テロップを入れていくうちに、「ここはフォントを変えたほうがいいか」「この言い回しをカットしたほうがテンポがいいかも」と、細部が気になり始める。
  • 気づけば時計は23時を過ぎ、完成したのは動画の半分くらい。「こんなペースで本当に毎週出せるのかな」と画面を閉じる前に、ため息がひとつ漏れる。

正直なところ、私も最初は1本あたり8〜10時間かけていました。

あるとき、自社用の解説動画をつくったときのこと。

  • 企画・構成:2時間。
  • 撮影:1時間。
  • 編集:6時間。
  • サムネ・公開作業:1時間。

「これを週1本やるのは、どう考えても無理だな…」と、スプレッドシートに作業時間を書き出しながら頭を抱えました。

クライアント先でも、マーケ担当者からこんな声を聞きました。

「実は、1本の編集に丸1日使ってしまうこともあります。よくあるのが、ここまでやったなら、あと少しクオリティを上げたいと沼にハマるパターンで…。それでいて、数字を見たらこの動画、そこまで再生されていないという現実もあって、なんとも言えない気持ちになります。」

この谷から抜けるために必要だったのは、「頑張る時間を減らす」のではなく、「頑張る場所を決める」ことでした。

「全部の工程で頑張る」のをやめて、「どこに時間を使うか」を決めた

制作時間を大きく減らせたきっかけは、あるBtoB企業と一緒に作業ログをとったときです。

私:「正直なところ、動画制作に時間がかかるという悩みは、どこに何時間かかっているかを見える化しないと解決しません。実は、撮影よりも台本、台本よりも編集など、ボトルネックはチームによって違います。」

試しに、1本の動画でかかった時間を細かく記録してもらいました。

  • テーマ選定・企画:1.5時間。
  • 台本作成:2時間。
  • 撮影準備と撮影:1.5時間。
  • 編集:4時間。
  • サムネ作成と公開:1時間。
  • 合計:10時間。

これを見た瞬間、担当者が笑いながら言いました。

担当者:「実は、何となく時間かかってるなとは思っていましたが、数字で見るとえげつないですね…。よくあるのが、編集でここも切ろう、ここも文字を足そうとやっているうちに、気づいたら夜になっているパターンです。」

そこで、3つだけルールを決めました。

  • 企画と台本は「型」に沿って30〜60分で終わらせる。
  • 撮影は月1回のまとめ撮りにして、1本あたりの準備を減らす。
  • 編集は「テンプレ+最低限のカット&テロップ」のみに絞り、1本2時間以内という制限をつける。

私:「最初は半信半疑だと思います。クオリティが落ちるのではという不安もあるはずです。でも、実は『80点を目指して10時間かける』より、『60〜70点を3時間で出す』ほうが、長期的には成果もナレッジも溜まりやすいです。」

ここから、「全部頑張る」から「頑張る場所を決める」への転換が始まりました。

1本8〜10時間かかっていた制作が、3時間ペースに落ち着いた

ルール変更から3か月後、同じクライアントでの1本あたりの制作時間はこう変わりました。

  • Before:合計 約10時間。
  • After:合計 約3〜4時間。

内訳のイメージ:

  • 企画・台本:1時間以内(テンプレ使用)。
  • 撮影:まとめ撮り(1日で4〜5本)。1本あたり実質30分前後。
  • 編集:1.5〜2時間(カット+テロップ最低限+BGMテンプレ)。
  • サムネ・公開:30分。

数字面でも、

  • 1か月あたりの動画本数:2〜3本 → 6〜8本。
  • 動画付きLPのCVR:動画なしと比べて約1.3〜1.5倍。
  • 社内の雰囲気:「動画は特別な案件」→「毎月のルーティン」の空気に変化。

担当者はこう言っていました。

「正直なところ、最初は手を抜いているような感覚がありました。でも、実は完璧な1本を時間をかけて作るより、60〜70点の動画を数多くテストして改善したほうが、結果がついてくるのを数字で実感してから、気持ちがだいぶラクになりました。」

翌月以降は、1本にかかる時間ではなく、動画全体が売上やリードにどう効いているかの話に、マネジメントの関心も移っていきました。


動画制作に時間がかかる「3つの原因」

原因① 毎回ゼロから企画・台本を作っている

【よくあるパターン】

  • その都度「何を話すか」をホワイトボードで考える。
  • 台本を書くたびに構成がバラバラ。
  • 「導入に何を話すか」「どこで事例を入れるか」を毎回決め直している。

【何が起きるか】

  • 企画〜台本部分だけで1〜3時間かかる。
  • 撮影時に話が脱線し、編集でもカットに時間がかかる。

【効率化のコツ】

  • 「自社の定番構成」を1〜2パターン決めてしまう。
  • 例:課題→共感→解決策→事例→CTA。
  • 質問形式のテンプレ台本を用意して、話す人は空欄を埋めるだけにする。
  • よくある質問・営業現場のトークをベースに、台本化する。

原因② 撮影をバラバラに行い、「準備」と「撤収」に毎回時間を奪われている

【よくあるパターン】

  • 1本撮るたびに、会議室を押さえ、カメラ・ライト・マイクをセッティング。
  • 撮影後は機材を片付け、データを整理。
  • この準備と撤収だけで、1回あたり30〜60分かかる。

【何が起きるか】

  • 実際の撮っている時間より、撮るための準備時間のほうが長くなる。
  • 「じゃあ今週はやめておこうか」という判断になりがち。

【効率化のコツ】

  • 撮影日は「月◯回」と決めて、1日で複数本まとめ撮りする。
  • カメラ位置・画角・照明を固定し、「基本的に動かさないセット」を作る。
  • 可能なら、小さめの撮影スペースを半常設にしておく。

原因③ 編集で「やらなくていいこと」までやっている

【よくあるパターン】

  • カットを細かく刻みすぎる。
  • すべてのセリフにテロップを入れようとする。
  • シーンごとにBGMやエフェクトを変える。

【何が起きるか】

  • タイムラインが細切れになり、1カット修正するだけで大仕事になる。
  • 編集ソフトのタイムラインを見るだけで疲れるようになる。

【効率化のコツ】

  • 「ここだけは頑張る」というポイントを決め、それ以外はテンプレで済ませる。
  • 例:冒頭30秒だけ密度高め、あとは要点テロップだけ。
  • 口癖や間の不要パターンだけカットし、細かな言い回しは残す。
  • プリセット(トランジション・テロップ・BGMの組み合わせ)を作っておく。

制作時間を2〜3分の1にする「具体ステップ」

ステップ① 「1本の作業ログ」を書き出して、ボトルネックを特定する

やること:

直近の1本で、

  • 企画・台本に何分。
  • 撮影に何分。
  • 編集に何分。
  • サムネ・公開に何分。

かかったかをメモする。

「一番時間がかかった工程」を丸で囲む。

ポイント:

  • 人によってボトルネックは違う(編集が重い/台本が重い/撮影調整が重い、など)。
  • 一番重い工程から順番に、「何を削れるか」「何をテンプレ化できるか」を考える。

正直なところ、この作業ログをとっていないチームがほとんどです。

でも、一度書くと、「どこをいじれば一番ラクになるか」が一目で分かります。

ステップ② 「型・テンプレ・制限時間」をセットで決める

やること:

型を決める:

  • 動画の構成(導入→本編→まとめ→CTA)。
  • 台本のフォーマット(質問と箇条書き)。

テンプレを作る:

  • オープニング・エンディング。
  • テロップのスタイルと位置。
  • BGMと効果音のセット。

制限時間を決める:

  • 台本作成は30〜60分。
  • 編集は1本2時間まで、など。

ポイント:

  • 制限時間を決めることで、「どこで手を抜くか」が自動的に決まる。
  • 型とテンプレがあれば、新人や別担当者に引き継ぎやすくなる。

ステップ③ 週・月単位で「制作サイクル」を固定する

やること:

  • 週のどの日に動画に手を付けるかを決めておく。
  • 例:火曜の午前=台本・企画、水曜=撮影、金曜=編集。
  • 月のどの日に撮影を入れるかを固定。
  • 毎月1回、「今月の制作時間と本数」を振り返るミニMTGを入れる。

ポイント:

  • 「時間が余ったら動画をやる」のではなく、「動画のための時間を先にブロック」する。

振り返りでは、

  • 今月の平均制作時間。
  • 一番ラクに作れた動画の特徴。
  • 一番大変だった動画の原因。

を一言でメモしておきます。

実は、この地味な振り返りが、半年後のラクさを決めます。


よくある質問

Q1. どれくらいの時間を目標にすれば現実的ですか?

A1. 立ち上げ期は1本4〜6時間でも普通です。テンプレが固まってくると、1本2〜3時間を目安にできると現場はかなりラクになります。

Q2. クオリティを落とさずに時間を減らすのは無理では?

A2. 視聴者にとってのクオリティと作り手にとってのクオリティは違います。まずは視聴者が気にしない部分(細かいテロップ・不要なエフェクトなど)から削るのがおすすめです。

Q3. 時間をかけたほうが成果が出る気がして、手を抜くのが怖いです。

A3. 一度、「時間をかけた動画」と「効率化した動画」で、CVRや視聴維持率を比べてみてください。意外なほど差が出ない、もしくはむしろ効率化したほうが良いことも多いです。

Q4. 社内に動画経験者がいない場合でも効率化できますか?

A4. できます。むしろ経験者がいないからこそ、最初から型とテンプレを決めてしまったほうが迷いが減ります。

Q5. 外注と内製、どちらが早いですか?

A5. 設計ができていれば外注のほうが早いことも多いですが、「修正やすり合わせ」に時間がかかるケースもあります。内製と外注で「どこまでやってもらうか」を明確にすることが重要です。

Q6. どの工程から外注するのが効率的ですか?

A6. 一番時間がかかっている工程からです。多くのチームでは「編集」か「撮影準備」がボトルネックになりやすいので、そこを外注候補として検討するのがおすすめです。

Q7. ショート動画に切り替えたほうが制作時間は減りますか?

A7. 撮影時間は減りますが、ネタ出しと編集のテンポが求められる分、別の難しさもあります。まずは既存の長尺から切り抜きショートを作るところから始めると、負担は小さくなります。


まとめ

動画制作に時間がかかる主な原因は、「毎回ゼロから作っている」「準備と撤収に時間を取られている」「編集でやらなくていいことまでやっている」の3つです。

効率化するには、「作業ログでボトルネックを特定」「型・テンプレ・制限時間のセット決め」「週・月単位の制作サイクル固定」が有効です。

実は、1本あたりの制作時間を半分にすることは、クオリティを半分にすることではありません。視聴者が気づかない部分を削り、自分たちしか気づかないこだわりを減らすだけで、十分にラクで成果が出る状態に近づけます。動画制作の効率化は「速さで勝つための工夫」というより、「続けられるリズムを作るための工夫」と捉えると、毎月の運用が自然と軽くなっていきます。

要点まとめ

  • まずは直近1本の「企画・撮影・編集・公開」の所要時間を書き出し、ボトルネック工程を特定しましょう。
  • 動画の構成と台本をテンプレ化し、「空欄を埋めるだけ」で企画が終わる形にすることが大切です。
  • 撮影は月◯回のまとめ撮りにし、セット(カメラ位置・照明・音)は基本固定にするのがおすすめです。
  • 編集は「冒頭のみこだわる」「テロップは要点だけ」など、頑張る場所を決めましょう。
  • 週・月単位で制作時間を振り返り、3〜5本ごとにムダ作業を1つ削っていきましょう。

こういう人は今すぐ相談すべきです

  • 毎回の動画制作に半日〜1日かけてしまい、「このままでは本業に支障が出る」と薄々感じているマーケ・広報・採用担当の方。
  • 「動画を続けたい気持ちはあるのに、制作時間の重さが理由で次の1本に手が伸びない」と感じている方。

この状態ならまだ間に合います。

今夜はまず、「直近で作った動画1本の作業ログ」「一番疲れた工程」「本当は力を入れたい工程」の3つをノート1ページに書き出してください。その1ページをもとに、「次の3本はどこに時間をかけて、どこをテンプレで済ませるか」をチームやパートナーと一度話し合ってみる――それが、「時間に追われる動画制作」から、「仕組みでラクに回せる動画制作」へ切り替える最初の一歩になります。

PAQLAの想い

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