動画マーケティング 分析のやり方とは?初心者でもできる改善手法

動画の分析は何を見る?初心者でもできる改善の進め方を解説

動画の分析は「難しい専門作業」ではありません。結論として、初心者でも①視聴データ、②クリック・流入データ、③コンバージョンデータの3つだけを毎週見る習慣をつくれば、成果につながる改善は十分にできます。


【この記事のポイント】

動画マーケティングの分析では、最初から細かい指標を全部追う必要はありません。再生回数よりも視聴維持率・クリック率・CVRの3つに絞るほうが、「どこを直すべきか」がはっきりしてきます。

正直なところ、よくあるのが「YouTube Studioや広告管理画面を開いても、どの数字から見ればいいか分からず、そのまま閉じてしまう」パターンです。実は、1本の動画を一人の視聴者の旅として捉えると、見るべきポイントは自然と絞れます。

私自身、クライアントと一緒に「毎週30分の動画分析ミーティング」を3か月続けただけで、平均視聴時間が約1.4倍、問い合わせ数が約1.5倍に増えたケースを何度か見てきました。大事なのは「完璧に分析すること」より、「同じ指標を見続けること」です。

今日のおさらい:要点3つ

  • 顕在ニーズ:動画マーケティングの分析で、どの指標をどう見ればいいかを知ることが大切です。
  • 潜在ニーズ:「数字を見るのが苦手」「分析ツールを開くと気持ちが沈む」状態から抜け出しておきましょう。
  • 行動ニーズ:最終的には、初心者でも回せる「毎週の分析ルーティン」と「改善の打ち手リスト」を持つのがおすすめです。

この記事の結論

一言で言うと、動画分析の最初の一歩は「視聴→クリック→コンバージョン」の3段階で数字を見ることです。

最も重要なのは、「動画全体の平均値」ではなく、「1本ずつの視聴のされ方」から原因を特定することです。同じ再生回数の動画でも、離脱ポイントやクリック率が違えば、改善すべき箇所も変わります。

失敗しないためには、①指標を増やしすぎない、②月ではなく週単位で小さく振り返る、③数字だけでなくコメントや現場の感触もセットで見る、この3つを徹底するのが近道です。動画分析は「データ全部を網羅する作業」ではなく、「同じ景色を毎週眺めて変化を感じる作業」と捉えると、無理なく続けやすくなります。


アナリティクスを開いては閉じる、を3回繰り返した夜

動画の分析に苦手意識があると、こんな夜になりがちです。

  • 夜、自宅でソファに座りながらYouTubeや広告の管理画面を開く。グラフと数字が一面に並び、「再生回数」「平均視聴時間」「インプレッション」「クリック率」…とカタカナの羅列に少し圧倒される。
  • 「どこから見ればいいんだろう」と思いながら、なんとなく再生回数の多い順に並べて眺める。再生数が多い動画もあれば少ない動画もあるが、なぜ違うのかまでは言葉にできず、「とりあえずがんばろう」でタブを閉じる。
  • 5分後、また気になってアプリを開く。結局同じ画面を眺めては閉じる、という行動を3回くらい繰り返したあと、「今日はもういいか」とスマホを伏せる。

正直なところ、私も動画案件に関わり始めた頃はまったく同じでした。

あるBtoCのECクライアントでも、マーケ担当の方がこんな話をしていました。

担当者:「実は、数字を見るのがそこまで好きではなくて…。よくあるのが、『視聴回数増えてますね』『平均視聴時間はこんな感じです』で会議を乗り切ってしまうパターンです。でも、それだと何を変えれば良いのか分からないままで。」

この谷から抜けるきっかけになったのは、「全部の数字を見ようとしない」ことでした。

「視聴→クリック→CV」の3つだけを、紙に書き出すところから始めた

そのクライアントと最初にやったのは、Excelでもダッシュボードでもなく、A4の紙に「3つの箱」を描くことでした。

  • 箱1:視聴(動画の中で何分見られたか)
  • 箱2:クリック(動画からどれくらいLPや商品ページに進んだか)
  • 箱3:コンバージョン(問い合わせ・購入・登録など)

私:「正直なところ、最初から細かい指標に手を出すと挫折します。実は、この3つの箱にどの数字を書けるかを確認するだけで、最初の1か月は十分です。」

担当者:「たしかに…。今まで、視聴とクリックとCVを別々のツールで見ていたので、頭の中でつながっていなかった気がします。」

ここで、

  • 視聴:平均視聴時間、視聴維持率、離脱ポイント。
  • クリック:CTR(クリック率)、概要欄・ボタンのクリック数。
  • CV:CV数、CVR(動画あり/なし比較)、動画視聴者のCPA。

という「代表選手」だけを抜き出し、「毎週見る数字リスト」として整えました。

Excelに慣れていないメンバーも、紙の3つの箱を見ながらなら、「あ、この数字がここに入るんだ」と理解しやすくなっていました。

毎週30分の「動画ふりかえり会議」を3か月続けたら、数字と会話が変わった

そこから、「毎週30分だけ動画ふりかえりタイムを固定する」というルールを作りました。

見るのは、

  • その週に新しく公開した動画1〜2本。
  • 直近で広告やLPに使っている重要な動画1本。

それぞれについて、

  • 視聴:どこで離脱が増えているか。
  • クリック:どの動画からLPに来ているか。
  • CV:動画あり・なしでCVRがどう違うか。

3か月後、数字はこんな変化を見せました(ざっくりした傾向です)。

  • 平均視聴時間:約1.2〜1.4倍。
  • LPに動画を置いたページのCVR:約1.3〜1.5倍。
  • 「動画を見てから買った/問い合わせた」ユーザーの割合:徐々に増加。

担当者はこう話していました。

「正直なところ、やっていることは毎週同じ表を見て話しているだけなんです。でも、実はそれを続けていると、これなら次はここを直すべきという感覚がチームで揃ってきて、動画制作の方向性も迷わなくなりました。」

分析のプロになったわけではありません。

ただ、「視聴→クリック→CV」という3つの箱を毎週見続けたことで、「動画がビジネスのどこに効いているか」を説明できるようになっていたのが、大きな変化でした。


初心者がつまずく動画分析の「よくある失敗」3つ

失敗① 再生回数だけを追ってしまう

【よくある状態】

  • レポートが「再生回数」と「登録者数」だけで構成されている。
  • 再生数が伸びるといい感じ、伸びないとイマイチで終わる。
  • 「その動画が売上や問い合わせにどう効いたか」を聞かれると、答えづらい。

【何が起きているか】

  • 動画の人気度だけを見ていて、成果への貢献度が見えない。
  • 「人気がある動画=売上に効く動画」とは限らないのに、混同してしまう。

【改善のポイント】

  • 再生回数は入口の指標と割り切る。
  • 少なくとも、「動画あり/なしのCVR比較」だけはセットで見る。
  • 再生回数は多くないがCVRが高い、地味な稼ぎ頭動画を探す。

失敗② 数字を増やしすぎて、結局何も使えない

【よくある状態】

  • ダッシュボード上の指標をとにかく全部CSVでエクスポート。
  • シートには数十列のデータが並ぶが、どれも使えていない。
  • 会議で「数字がありすぎて逆に分からない」という状況になる。

【何が起きているか】

  • 「とりあえず取る」ばかりで、「何のために見るか」が決まっていない。
  • 誰もシートを見なくなり、「データを集めること」が目的化する。

【改善のポイント】

  • 指標を「視聴」「クリック」「CV」の3カテゴリに分ける。
  • それぞれ代表の1〜2指標だけ残し、他はいったん封印する。
  • 「この数字が上がったら、次に何をするか」までセットで考える。

失敗③ 数字だけで判断し、現場の感覚を無視する

【よくある状態】

  • 画面上の数字だけで良い/悪いを決める。
  • 現場の営業やサポートからの「この動画、使いやすい/使いにくい」という声を集めていない。
  • コメント欄や視聴者の反応を見ていない。

【何が起きているか】

  • 「数字は悪くないけど、現場が使ってくれない動画」が増える。
  • 長期的なブランド・信頼には効いている動画を、短期のCVだけで切ってしまう。

【改善のポイント】

  • 毎月1回は、営業やカスタマーサクセスに「使える動画/使いにくい動画」を聞く。
  • コメントやアンケートなど、言葉のデータもメモしておく。
  • 数字と現場の声がズレていたら、「どちらに寄せるか」を意図的に決める。

「実は、BtoBでは営業にとって使いやすい動画が、最終的に一番売上に貢献するケースも多いです。」


初心者でもできる「動画分析の具体ステップ」3つ

ステップ① まず「5本だけ」視聴データを比べてみる

最初の1週間は、「視聴」に限定してOKです。

やること:

  • 直近で重要だと思う動画を5本選ぶ。

各動画について、

  • 平均視聴時間。
  • 視聴維持率のグラフ。
  • 1分時点・2分時点の視聴者残存率。

をメモする。

見るポイント:

  • 冒頭10〜30秒で大きく落ちている動画はないか。
  • 中盤でガクッと下がっているところに、共通パターン(長い説明・スライドの切り替わりなど)がないか。
  • 最後まで見られている動画に、共通する特徴(長さ・構成・話し方など)がないか。

正直なところ、ここまでやるだけでも、「冒頭で自己紹介が長い動画ほど離脱が多い」「事例紹介を入れた動画は見られやすい」といった傾向が見えてきます。

ステップ② 次に「動画別のクリックとCV」をざっくりでもいいので見る

2週目以降は、「クリック」と「CV」に広げます。

やること:

  • LPや商品ページごとに、「動画あり/なし」のCVRを比較する。
  • 動画付きLPの中でも、動画を見たユーザー・見ていないユーザーでCVRが違うか見てみる(可能な範囲で)。
  • 広告の場合は、「どの動画クリエイティブがCTR・CVRともに高いか」をチェック。

見るポイント:

  • 視聴維持率が高いのにCVRが低い動画 → 導線の問題か、CTAの弱さ。
  • 視聴時間はそこそこでもCTRが高い動画 → サムネとタイトルの当たりパターン。
  • CVRが高い動画 → シナリオや訴求を他の動画にも展開できないか。

ここで、「視聴はされているけどCVにつながっていない動画」「視聴はそこそこだがCVに強い動画」を分けると、改善の優先順位が見えてきます。

ステップ③ 毎週の「ふりかえりシート」を作り、小さく仮説を書く

最後に、「分析をやりっぱなしにしない仕組み」を作ります。

ふりかえりシートの例(1週間分):

  • 見た動画:3本(タイトルを記載)。

良かった数字:

  • 例:動画Aの1分視聴率60%、動画BのLP CVR3.0%など。

良くなかった数字:

  • 例:動画Cの平均視聴時間30秒など。

仮説:

  • 動画Aは冒頭でため息フレーズを入れたので、引きが強かったかも。
  • 動画Cは最初に会社紹介が長く、離脱を招いているかも。

次に試すこと:

  • 次の動画でも冒頭にため息フレーズを入れる。
  • 動画CのLP上の位置を下げる、もしくはショート版を作る。

実は、この「仮説」と「次の一手」を毎週1つだけ書く習慣が、成長スピードを大きく左右します。


よくある質問

Q1. 初心者が最初に見るべき指標は何ですか?

A1. 「平均視聴時間」「視聴維持率」「動画あり/なしのCVR」の3つが最優先です。再生回数や登録者数は、その次に見るくらいで十分です。

Q2. 数字が少なすぎて、意味のある分析ができる気がしません。

A2. 最初はそれで普通です。1〜2か月分のデータがたまるまでは、「傾向を眺める」「仮説をメモする」くらいのスタンスでOKです。

Q3. BtoBとBtoCで見るべき指標は変わりますか?

A3. 大枠は同じですが、BtoBでは「リード数」「商談数」「案件化率」、BtoCでは「購入数」「リピート率」など、最終指標が変わります。途中の「視聴」「クリック」は共通です。

Q4. 何本くらい動画が溜まったら、ちゃんと分析したほうがいいですか?

A4. 10本を超えたあたりから、パターンが見えやすくなります。それまでは「1本ずつのふりかえり」、10本を超えたら「横並び比較」を始めるイメージです。

Q5. 分析は毎日やるべきですか?

A5. 毎日である必要はなく、週1回30分〜1時間が現実的です。日次で見るのはモニタリング程度にして、「判断は週次」で十分です。

Q6. 数字が悪かった動画は消したほうがいいですか?

A6. 基本は残しておき、必要ならタイトル・サムネ・位置を変えるほうが良いです。ブランドを傷つけるレベルのものだけ非公開にする判断でOKです。

Q7. 数字に一喜一憂してしまい、しんどくなります。

A7. 週や月ごとの平均値やトレンドを見る意識を持つと楽になります。単発の動画結果より、「3か月前より全体がどうか」を見る癖をつけてみてください。


まとめ

動画の分析は、「視聴→クリック→CV」の3ステップで見ると、初心者でもどこを改善すべきか判断しやすくなります。

よくある失敗は、「再生回数だけ見る」「指標を増やしすぎる」「現場の声を無視する」の3つで、ここを避ければ数字も会議もシンプルになります。

実は、毎週30分だけ同じ指標を見続けるだけで、動画の作り方と導線の考え方が少しずつ変わり、半年後には「どの動画がどう効いているか」を自信を持って説明できるようになります。動画分析は「特別なスキル」ではなく、「観察を続けるための習慣」と捉えると、初心者でも自分なりの読み解き方を育てていけるテーマです。

要点まとめ

  • 「視聴」「クリック」「CV」の3箱に、見るべき指標を1〜2個ずつ入れておきましょう。
  • 最初の1〜2週間は、5本の動画の視聴データ(平均視聴時間・離脱ポイント)だけ比べることが大切です。
  • その後、「動画あり/なしのCVR」「動画別CTR・CVR」をざっくりでもいいので追い始めましょう。
  • 毎週1回、「良かった数字」「良くなかった数字」「仮説」「次に試すこと」を1枚にまとめるのがおすすめです。
  • 数字と現場の声(営業・コメント・視聴者の反応)をセットで見て、自社なりの勝ちパターンを育てていきましょう。

こういう人は今すぐ相談すべきです

  • 動画の本数は増えているのに、「どの数字を見ればいいか」「どこを改善すべきか」がぼんやりしているマーケ担当・事業責任者の方。
  • 管理画面を開くたびに少し肩に力が入り、「分析はやらなきゃと思いつつ、後回しにしてしまっている」と感じる方。

この状態ならまだ間に合います。

今夜はまず、「直近1か月の動画から5本」「その平均視聴時間と1分時点の残存率」「動画あり/なしでCVRが分かるページ」をノート1ページに書き出してください。その1ページをもとに、「来週の30分でどの数字を見て、どんな小さな改善を試すか」をチームやパートナーと決める――それが、「なんとなく数字を眺めるだけの分析」から、「次の打ち手につながる分析」へ進む最初の一歩になります。

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