動画マーケティング ターゲット設定のやり方とは?失敗しない決め方
動画のターゲットはどう決める?成果を左右する設定方法と考え方を解説
動画のターゲットは、「ペルソナのプロフィール」ではなく、どんな場面で、何をしている人に見てほしいかまで具体化して決めることが重要です。結論としては、「誰に」「どのタイミングで」「何を変えたいか」を言語化できれば、ターゲット設定は半分以上成功と言い切れます。
【この記事のポイント】
動画マーケティングのターゲット設定は、「20〜30代のビジネスパーソン」などの属性だけでは不十分です。「立場」「状況」「感情」「視聴シーン」まで具体化すると、企画と構成が一気に決まりやすくなります。
正直なところ、現場でよくあるのが「とりあえず全員に刺さる動画を作ろう」として、結果的に誰にも強く刺さらない中途半端なコンテンツになるパターンです。これはターゲットを絞り込む怖さが原因になっているケースが多いです。
実は、ターゲット設定を絞ったほうが、視聴維持率やCVR(資料請求や問い合わせへの転換率)は上がりやすくなります。「自分のことだ」と感じた瞬間に、人は最後まで見て、行動しやすくなるからです。
今日のおさらい:要点3つ
- 「誰に」「どんな状況で」「何をしてほしいか」が書けない動画は、ターゲット設定がまだ甘いサインです。
- よくあるのが、「ペルソナシートはあるのに、視聴シーンが具体化されていない」せいで、オープニングの一言が弱くなるパターンです。
- 迷ったら、「既存顧客で一番いい関係の人」を1人思い浮かべて、その人だけに話しかけるつもりでターゲットを決めるのがおすすめです。
この記事の結論
一言で言うと、動画のターゲット設定は「属性」ではなく「瞬間」で決めるべきです。
最も重要なのは、「この動画は誰のどんなため息の瞬間に刺さるのか」を描き切ることです。これが描けていれば、タイトル・サムネイル・冒頭の一言・尺まで、すべてが決めやすくなります。
失敗しないためには、①既存顧客の具体像からターゲットを逆算する、②視聴シーンを1日の中の場面レベルで決める、③1本の動画に1ターゲットだけを設定する、この3つを徹底するのが近道です。動画のターゲット設定は「広く届くものを作る作業」ではなく、「特定の誰かの心の動きにそっと寄り添う作業」と捉えると、判断の物差しが一気に揃ってきます。
「誰向け?」と聞かれるたびに、プレゼンのスライドをめくる手が止まる
ターゲット設定が曖昧なとき、現場ではこんなやりとりが起きがちです。
- 動画企画の打ち合わせで、「今回の動画は誰向けですか?」と聞かれ、「中小企業の経営者…ですかね」と答えながら、どこか自分でもしっくり来ていない。
- プレゼン用のスライドには「ターゲット:20〜40代・中小企業のマーケティング担当」と書いてあるが、実際の顧客の顔が1人も思い浮かばない。
- 夜、家に帰ってからパソコンを開き、「動画 ターゲット 設定のやり方」「ペルソナ 作り方」と検索し、テンプレートをいくつかダウンロードしてみるものの、入力する手が途中で止まる。
正直なところ、私自身も自社やクライアントの動画プロジェクトの初期段階で、何度も同じ状態に陥りました。
あるBtoBサービスの案件では、
- 社長:「この動画は、新規のリード獲得に効いてほしい。」
- 営業:「既存顧客がアップセルしたくなる内容にしてほしい。」
- 採用担当:「ついでに、採用にも使えると嬉しい。」
と、それぞれの意見が混ざり合い、
「よくあるのが、『誰に向けた動画ですか?』と聞くと、『みんなに向けて』って返ってくるパターンなんですよね…」
と、社内ディレクターがぼそっとこぼしていたのを覚えています。
この段階では、どんなに編集のクオリティを上げても、視聴者側から見ると自分ごとにならない動画になりがちです。
「属性のペルソナ」を捨てて、「実在のあの人」だけを描いた
流れが変わったのは、ある先輩マーケターの一言でした。
先輩:「正直なところ、20〜40代のマーケ担当というターゲットは存在しません。実在するあの人を1人思い浮かべて、その人のためだけに動画を作ったほうが結果的に刺さります。」
そこで、そのBtoBサービスのチームで次のワークをしました。
- 既存顧客の中から、「理想的な顧客」を3人リストアップ。
- そのうち1人を選び、その人の役職・年齢・会社規模・日常のスケジュール、よく送ってくるメールのトーン、打ち合わせの最後に漏らしていた一言を思い出しながらメモしていく。
営業:「実は、◯◯社の△△さんがパッと浮かびました。いつも『本当は広告にもっと投資したいんですけど、社内で説明しきれなくて』と言っていて。」
そこから、「◯◯社の△△さん」の1日に入り込むように、視聴シーンを描きました。
- 月曜日の朝、出社前に電車の中でスマホを眺めている時間。
- 金曜日の夜、残業を終えて自席でコーヒーを飲みながら、YouTubeを少しだけ見る時間。
「実は、20〜40代と書くより、金曜の22時、自席でコーヒーを飲みながらYouTubeを見ている△△さんと書いたほうが、冒頭の一言がスラスラ出てきます。」
こうして、「属性」ではなく「瞬間」でターゲットを決め直したところから、台本の書き方がガラッと変わりました。
ターゲットを絞りきったことで、少ない再生数でも「濃い問い合わせ」が増えた
そのプロジェクトで実際に公開した動画は、
- タイトル:「社内で『広告の必要性』を説明しきれないマーケ担当のあなたへ」
- 冒頭の一言:「金曜の夜、デスクでコーヒーを飲みながら『また今月も広告費の説明か…』とため息をついたあなたに向けて話します。」
という、かなり人を選ぶ動画でした。
再生回数だけ見れば、決してバズったわけではありません。
- 公開から1ヶ月の再生数:1,200回程度。
しかし、概要欄の「資料請求」リンク経由のCV数は、同時期の他動画の約2倍。
問い合わせフォームの自由記述欄には、「まさに自分のことを言われているようで…」「あの動画を見て、まずは資料請求してみようと思いました」というコメントが複数。
マーケ担当者は、こう振り返っていました。
「正直なところ、絞り込みすぎて誰にも刺さらなかったらどうしようと不安もありました。でも、実は再生数よりも、『この動画が刺さる人とだけ話ができればいい』と割り切れたことで、変に万人受けを狙わなくなりました。」
翌朝、問い合わせ一覧をチェックして、「動画を見て…」と書かれたリードが少しずつ増えていくのを見たとき、チームの中で「ターゲットを絞るのは怖いことではなく、むしろラクになることなんだ」という感覚が共有されていったのを覚えています。
動画ターゲット設定がうまくいかない「3つの原因」
原因① 属性だけで決めていて、「状況」が描けていない
【よくある設定】
- 「20〜30代の独身女性」
- 「中小企業の経営者」
- 「マーケティング担当者」
このレベルで止まっていると、
- タイトルも「〜な方へ」とふわっとした表現になり、
- 冒頭で共感を取りにいく一言がどうしても弱くなります。
【何が足りないか】
- 日常のどんな場面で動画を開くのか。
- そのタイミングで、どんな気持ちやため息があるのか。
- どんな言葉で検索して、どうたどり着くのか。
正直なところ、属性だけでは「絵」が浮かびません。
絵が浮かばないと、動画の中で「その人の一日」を想像しながら話すことができません。
原因② 1本の動画で「複数ターゲット」を狙っている
【よくある欲張りパターン】
- 「新規顧客にも既存顧客にも刺さる内容で」
- 「経営層にも現場にも伝わるように」
- 「BtoBだけど、BtoC向けにも流用できる動画に」
これをやると、
- 言葉のレベルが「中途半端」に。
- 例え話も具体性がなくなり、「誰にとってもピンと来ない」内容になりがちです。
よくあるのが、全方位に向けたニュースリリースみたいな動画になってしまうことです。
その結果、再生はされても、「自分に必要な情報だ」と感じる人が少なくなります。
原因③ ターゲット設定が「机上」で終わり、現場の声が反映されていない
【よくある状態】
- マーケチームだけでペルソナを作り、営業やCSに見せていない。
- 現場が日々感じている「リアルな悩み」や「断られ方」がシナリオに入っていない。
- 実際の顧客インタビューやアンケート結果を見ずに、想像で人物像を作っている。
正直なところ、机上で作られたペルソナは「きれいすぎる」ことが多いです。
本当の顧客はもっと矛盾していて、時にはイライラし、時には不安で固まっています。
「実は、現場の営業が『またこのパターンで断られた』と話している内容こそ、ターゲット設定のヒントになることが多いんです。」
失敗しないターゲット設定の「3ステップ」
ステップ1|既存顧客から「実在のモデル」を選ぶ
まず、「これから狙いたい理想顧客」をペルソナシートで作るより先に、
- 今すでにいる顧客の中から、「理想に近い人」を1〜3人選びます。
【やること】
- 営業・CS・サポートに、「一番話しやすい・価値観が合う・長く付き合いたい」顧客を挙げてもらう。
- その人の役職・業界・会社規模、情報収集に使っているメディア(YouTube・X・メルマガなど)、過去にどんな悩みを話していたかをメモに書き出す。
「正直なところ、理想の見込み客をゼロから空想するより、今の好きな顧客をモデルにしたほうが、話し方も自然になります。」
ポイント:
- 1本目の動画のターゲットは、「◯◯社の△△さん」のように、実在の一人に絞る。
- 属性ではなく、「その人の口癖」「打ち合わせ後のため息」「よく送ってくる時間帯」まで思い出す。
ステップ2|1日の中の「視聴シーン」を決める
ターゲットを1人に絞ったら、その人の1日を想像します。
【例:BtoBマーケ担当の△△さん】
- 9:00 出社。メールチェック。
- 11:00 上司と打ち合わせ。広告予算の話で少しもめる。
- 13:00 ランチ。スマホでXをチェック。
- 19:00 業務終了。ただ、資料作りが終わらず残業。
- 22:00 ようやく一息ついて、自席でコーヒーを飲みながらYouTubeを見る。
このタイムラインの中で、
- どの時間帯に動画を開いていそうか。
- その瞬間、どんな検索キーワードを打ち込みそうか。
- どれくらいの時間なら動画に割けそうか。
を考えます。
【ここまで落とし込むと…】
- 「通勤中に見る」なら縦型・短尺・字幕前提。
- 「オフィスデスクで見る」ならPC画面・スライド多め。
- 「寝る前に布団で見る」なら音を出さなくても分かる構成に。
といった具体的な設計に変換できます。
ステップ3|「どんな行動をしてほしいか」まで決める
ターゲットと視聴シーンが決まったら、最後に「視聴後の行動」を1つだけ選びます。
【例】
- 問い合わせ・資料請求をしてほしい。
- メルマガに登録してほしい。
- 他の動画/記事に移動して深く知ってほしい。
- 社内の誰かに動画を共有してほしい。
正直なところ、ここが曖昧だと、ターゲット設定も迷い続けます。
「実は、この動画は今すぐ問い合わせる人より、社内の稟議を通すための材料を探している人に向けたほうがいいですよね。」
この会話が出てくると、
- 事例中心の構成にするか、
- 機能説明中心にするか、
- 価格や導入フローを詳しく入れるか、
といった判断も揃ってきます。
よくある質問
Q1. ターゲットはどれくらい絞るべきですか?
A1. 1本の動画につき、「実在の1人」をイメージできるくらいが理想です。ただし、シリーズ全体で見ると、別のターゲット向けの動画を作り分けることで、幅を持たせられます。
Q2. ターゲットを絞ると、再生数が減りませんか?
A2. 再生数は一時的に減ることもあります。ただし、「再生数×CV率」で見たときに、ターゲットを絞った動画のほうが集客効率が上がるケースが多いです。
Q3. BtoBとBtoCでターゲット設定の考え方は変わりますか?
A3. 基本は同じです。ただ、BtoBでは「決裁者」と「現場担当」のように、複数の関係者を意識したターゲット設計が必要になることが多いです。
Q4. 新しい市場を開拓したいときは、既存顧客をモデルにしてもいいですか?
A4. 8割は既存顧客をベースにしてかまいません。残り2割を、「こういう顧客が増えると理想」という仮説でペルソナを足し、検証していくイメージがおすすめです。
Q5. 社内でターゲット像がバラバラなときはどうしたらいいですか?
A5. まずは関係者全員から「理想の顧客」を1人ずつ出してもらい、その共通点を探します。それでも合わない場合は、「動画ごとにターゲットを変える」前提で設計したほうが現実的です。
Q6. 動画1本で複数のターゲットを追いたいときの工夫はありますか?
A6. 基本的にはおすすめしません。どうしてもという場合は、「前半:現場向け」「後半:経営者向け」と明確に区切り、チャプターで分けるとまだマシになります。
Q7. ターゲット設定を変えたら、過去の動画は全部作り直す必要がありますか?
A7. 全部作り直す必要はありません。ターゲットがはっきりした段階で、「そのターゲットに合いそうな過去動画」にだけ、タイトル・説明文・サムネイルを調整するところから始めると効率的です。
まとめ
動画のターゲット設定は、「20〜30代」「マーケティング担当」といった属性だけでなく、「実在の1人」と「その人の具体的な視聴シーン」まで描いたときに初めて機能します。
よくある失敗は、「みんなに向ける」「机上だけでペルソナを作る」「動画1本で複数ターゲットを狙う」という3つで、これらはすべて自分ごと化の妨げになります。
実は、「既存顧客をモデルにする」「1日の中の視聴シーンを決める」「視聴後の行動を1つに絞る」という3ステップを踏むだけで、ターゲット設定の迷いはかなり減り、動画の企画・構成・CTAまで一気に決めやすくなります。ターゲット設定は「絞ることで失うものを数える作業」ではなく、「絞ることで初めて伝わる人を増やす作業」なので、勇気を持って一人に絞っていく姿勢が結果として一番効いてきます。
要点まとめ
- ターゲットは「属性」ではなく「実在の1人」と「1日の中の瞬間」で決めましょう。
- 1本の動画に対して、狙うターゲットは1人(1タイプ)に絞ることが大切です。
- 営業やCSの「理想の顧客」から逆算してターゲット像を作るのがおすすめです。
- 視聴シーン(時間帯・場所・デバイス)を想像して、長さや見せ方を設計していきましょう。
- 視聴後にしてほしい行動(問い合わせ・資料請求・共有など)を1つだけ決めることが大切です。
こういう人は今すぐ相談すべきです
- 「ターゲットは中小企業の経営者です」と言いつつ、実際には誰の顔も思い浮かんでいないと感じている方。
- 社内で動画企画を説明するとき、「誰向けなの?」と聞かれるたびに、自分でも答えに詰まってしまう方。
この状態ならまだ間に合います。
今夜はまず、「既存顧客の中で一番話しやすい人の名前」「その人の1日のスケジュール」「その人が動画を開きそうな時間と気持ち」の3つをノート1ページに書き出してください。その1ページを持って、「この人のためだけに1本動画を作るなら、どんなタイトル・構成・CTAにするか」をチームやパートナーと話し合う――それが、「なんとなくターゲットを決めていた動画」から、「成果に直結するターゲット設計がされた動画」へ変えていく最初の一歩になります。
PAQLAの想い
うまく言葉にできない価値を、
伝わる映像へ。
株式会社PAQLAは、ただ映像を撮る会社ではありません。
私たちが大切にしているのは、まず話を聞くことです。企業の中にある想い、技術、こだわり、これまで積み重ねてきた物語を丁寧に取材し、「何を、誰に、どう伝えるべきか」から一緒に整理します。
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